『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の主人公・ヴァイオレットは、C.H郵便社で自動手記人形として代筆業をしています。
『自動手記人形』という言葉は初めて聞きましたが、一体どんな職業なんでしょうか?
作品に登場するような自動手記人形は、現実世界でも実在するのでしょうか?
そこで今回は、
- 自動手記人形とは何か?由来は?
- 現実世界でも実在するサービスなのか?
これらについてまとめます!
自動手記人形(じどうしゅきにんぎょう)とは何?由来は?
「#ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 -永遠と自動手記人形-」💌
地上波初放送 金曜よる9時☘️☘️☘️#石川由依 #内山昂輝 #子安武人 #遠藤綾 #茅原実里 #戸松遥 #寿美菜子 #悠木碧 pic.twitter.com/2ONb9Mj3xz— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) November 1, 2021
自動手記人形は『オート・メモリーズ・ドール』とも呼ばれ、伝えたい本当の心をすくい上げ、人間の肉声の言葉を文字として書き起こしてくれる代筆を行う機械人形のことです。
自動手記人形の制作者は、機械人形の権威であるオーランド博士で、妻・モリーのために製作したものでした。
オーランド博士の妻・モリーは小説家でしたが、後天的に視力を失い盲目となってしまい小説が書けなくなったことにひどく落胆し、日に日に衰弱していきました。
そんな愛する妻の様子に見かねたオーランド博士は、妻の肉声の言葉を書き起こす「代筆」をこなしてくれる自動手記人形を発明します。
その後、自動手記人形は多くの人々の支えとなり世の中に普及していきました。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の中で、終戦後の女性たちにとっては、社会で活躍する機会を得ることができると大変人気の職業となり、自動手記人形育成学校も開校して女性が活躍できる職業になっています。
こうして、本当の機械だけでなく人形のように代筆業を行う人間のことも自動手記人形と呼ばれるようになったのです。
自動手記人形サービスは現実世界で実在する?
「#ヴァイオレット・エヴァーガーデン🌸特別編集版」
🎀放送前にちょい見せ2️⃣🎀
手紙の代筆業(自動手記人形)の
養成学校に通うヴァイオレット教官からの厳しい一言
「あなたの代筆したものは
手紙とは呼べません」#放送まであと2日#金曜ロードショー#金曜よる9時 pic.twitter.com/mDA5GjPvi9— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) October 27, 2021
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』では、文字が書けない人や手紙を送りたい大事な人のために、その人の想いを汲み取りながら手紙を代筆する代筆業務を自動手記人形が行っています。
そのような職業を日本では『代書屋』『代書業』『代筆屋』と呼んでいます。
どれも本人に代わって書類や手紙などの代筆を行う職業です。
『代書屋』『代書業』は江戸時代には非公認の代書業として公事師や奉行所公認の代書業として公事宿があったとされています。
1872年に司法職定制代書人制度を定めてからは、司法書士が行うようになりました。
司法書士は『代書屋』『代書業』を引き継いだ形になるようです。
かなり昔から代筆業務はあったのですね。
司法書士は公的な書類などを代行しますが、手紙などを代筆する人を『代筆屋』と呼ぶようになりました。
現代でも『代筆屋』であれば聞き慣れている人も多いかもしれませんね。
『代筆屋』は、時間がない人や字体に自信がない人の代わりに手紙を書いてくれ、ラブレター、内部告発、男女関係のもつれ、願書など様々な手紙を代筆してくれるものです。
このようにどんな内容でも対応してくれるのは、自動手記人形と似ているように思います。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』には、ヨーロッパを思わせるような街並みや風景が描かれていますが、ヨーロッパには自動手記人形が実在するのでしょうか?
調べて見ると、中世ヨーロッパの職業には『代書人』という職業がありました。
公的文書だけでなく、ラブレターから嘆願書の代筆まで、何でも取り扱っていたそうです。
日本で言う代書屋、代筆屋、代書業を合わせたようなものですね。
当時、代書人という職業は、かなり給料の高い職種だったようです。
代書人は20世紀始めまで、パリに残っていたとされています。
現在では、公的な書類は日本と同じく司法書士に変わって業務が行われています。
日本で言う『代筆屋』というような職業は、現在のヨーロッパには目立って存在していないようです。
今のヨーロッパでは、手紙を書くよりもメッセージカードが主流です。
メッセージカードですので端的な文章で収まり、わざわざ代筆屋に頼んで書いてもらうこともありませんよね。
そんな背景から、現在のヨーロッパには自動手記人形のような代筆業務を行う人は実在しないようです。