となりのトトロの都市伝説として語り継がれているのが、サツキとメイのお母さんが入院していた七国山病院のモデルは八国山病院という話です。
でもジブリファンの間では、”七国山病院のモデルは新山手病院”と知られていますが、一体なぜ八国山病院だと言われたのでしょう？
そもそも八国山病院って実在するんでしょうか？もし実在するなら、どんな病院なのか気になります！
そこで今回は、八国山病院の存在と、都市伝説で噂されている狭山事件がサツキとメイのモデルになっている件についてもあわせて確認してみました。
- 八国山病院は実在するのか？場所はどこなのか
- 狭山事件がサツキとメイのモデル？
- ネコバスの行き先の七国山病院の”院”が逆さまになっている画像
- 七国山病院と松郷の距離はどれくらいか
それでは見て行きましょう！
目次
【画像】八国山病院(結核の病院)は実在する？場所はどこにある？
八国山病院、最後の場面でメイとサツキが腰掛けてたであろう木っぽいものがあった。すごく大きくて、大人二人とかでも乗れそう。
ステキな木。 pic.twitter.com/YezleF3k0X— ハルカナ@2022年は絵の描ける字書き (@harukana) July 29, 2018
となりのトトロの都市伝説に出てくる八国山病院についてネットで調べると、いくつかの特徴が出て来ました。
「昔、所沢市にあった八国山病院です。」
「狭山市にあった八国山病院です。」
「結核の末期患者の療養施設でした。」
だいたいこういった内容が書かれているんですよね。
八国山病院の所在地は、所沢市説と狭山市説があるようです。
しかしどの記事にも八国山病院に関するソースがないので、信憑性に欠けるんですよね。
そこで、本当に病院が実在する（した）のかを確認するべく、
- 所沢市の八国山病院
- 狭山市の八国山病院
- 結核療養施設
このキーワードをヒントにネット検索してみました。
病院サイトや個人サイト、地域ニュース、掲示板、ファンサイト、Twitterなどを遡ってあれこれと見て回ったのですが、意外と情報が無く調査は難航。
かなり粘りましたが、『八国山病院』に関する情報を見つけることができませんでした。
昔にあった病院なら、ネット上に情報が残っていそうなものですが。
しかし、この”八国山”という地名に注目すると、東京都東村山市に八国山緑地という自然公園があることが分かりました。
さらにこの近くに、ジブリファンの間でも知られている七国山病院のモデルとなった新山手病院があります。
この病院はかつて首都圏郊外の結核病院として知られていて、付近の東京白十字病院とともに結核患者の療養施設でした。
後の見出しでも書いていますが、サツキとメイの自宅があった所沢市松郷の近くの病院です。
実際に新山手病院の公式サイトでも、トトロのモデルとなった病院だと公表しています！
当院は八国山緑地が背に広がる場所に位置しています。アニメ映画「となりのトトロ」に登場する病院のモデルにもなった緑豊かな落ち着きある環境下で、長年に渡り地域医療を支えてきました。
引用：新山手病院HP
”七国山病院のモデルは新山手病院” という解釈で間違いなさそうですが、冒頭で書いた「八国山病院が実在した」という話が気になりますよね。
もしかして新山手病院の旧称や通称が八国山病院なのかと調べてみましたが、昭和14年の設立当初は『保生園』という名前の療養所でした。
さらにその近くにある、同じく結核療養所だった東京白十字病院は『鹿島白十字病院』という名前だったそうです。
いずれも八国山病院という名前ではありませんでした。
さらにTwitterを見ていると、金曜ロードショーがジブリの舞台についてこんなつぶやきをしてました。
宮崎駿監督は物語の舞台になった場所を意図的に特定したわけではありませんが、作品に登場する「松郷」という地名は埼玉県所沢市に、病院のある「七国山」と一文字違いの「八国山」は東京都東村山市に、それぞれ実在しています。#となりのトトロ #トトロ #サツキ #メイ #夏はジブリ #金曜ロード pic.twitter.com/mHAMHP9Tdb
— アンク＠金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 14, 2020
宮崎駿監督は 意図的に舞台の場所を特定したわけではない とつぶやいてます。
病院のある七国山は、一文字違いで東村山市の八国山に実在していると発表されていますね。
これ以上は調べても出てこないですし、どの情報も根拠がないことから、都市伝説に登場する八国山病院は八国山緑地からモジって命名された架空の病院である可能性が高そうだと思いました。
そんなこともあり、八国山病院は実在しない病院だと言えそうです。
【となりのトトロ】八国山病院の事件とは？
となりのトトロの都市伝説の一つに、狭山事件をモチーフにして作品が作られたという噂があります。
狭山事件とは、1963年5月に埼玉県狭山市で起きた少女誘拐事件のことです。
被害者は当時高校1年生の女子でしたが、この事件と『となりのトトロ』には共通点が多いので、狭山事件をモデルに映画を作ったいう噂があります。
映画と事件の共通点をそれぞれ見て行きます。
【姉が妹を探し回る】
狭山事件では行方不明になった妹を姉が探し回っていたそうですが、映画でも姉のサツキが行方不明になった妹のメイを探し回っていました。
被害者の姉が変わり果てた妹の姿を発見した時に、錯乱状態になって「猫のお化けを見た」「大きなタヌキに会った」と証言しており、猫のお化け＝ネコバス、大きなタヌキ＝トトロ に置き換えたのではないかと言われてます。
【サツキとメイの名前】
狭山事件は1963年5月に発生しました。
トトロのメイとサツキの名前に注目すると…
・メイ＝May（5月）
・サツキ＝皐月（5月）
いずれも5月を表す言葉が名前の由来となっています。
狭山事件を意味する名前にしたのではないかと言われてます。
【八国山病院があった】
映画の中で、サツキとメイのお母さんは七国山病院で入院していました。
これは狭山市にある八国山病院がモデルになっているのではないかと言われています。
こちらは、精神病棟やがん患者が入院する病棟があったとされています。
『となりのトトロ』のモデルは狭山事件ではない
狭山事件について調べてみたところ、事実と違う点がいくつか分かってきました。
・被害者の姉は妹を探し回っていないし、猫のお化けや大きなタヌキに会ったとは言っていない。
「となりのトトロ」の都市伝説で言われているような、「妹を捜して必死に歩き回っていた」とか「『猫のお化け』『大きな狸に会った』などの意味不明な証言ばかりしていた」という事実はありません。
引用：『狭山事件入門』http://flowmanagement.jp/wordpress/archives/236
・トトロのヒロインは女の子1人の予定だった
となりのトトロのポスターで、トトロの隣の少女はトトロに出演してない、誰でもない子どもだって知ってた？ pic.twitter.com/34IbLpdOFk
— としのり＠モモタマズ合同会社代表 (@polo39471) May 21, 2021
となりのトトロは、当初は主人公は女の子1人だけの予定でした。
サツキやメイとは違う女の子がヒロインとして登場する予定で、姉妹の設定はありませんでした。
そのため映画のポスターには、サツキでもメイでもない女の子が描かれています。
・八国山病院は存在しない
都市伝説では、七国山病院のモデルは八国山病院だと言われていますが、前の見出しでも書いた通り、狭山市に八国山病院は存在しませんでした。
しかし、東京都東村山市に「八国山緑地」という山は存在しています。
七国山病院のモデルは東村山市の新山手病院だと、病院HPでも公表されています。
以上のことから、狭山事件はトトロのモデルではないと言えそうですね。
ジブリが公式サイトで都市伝説を否定しているので間違いないです。
みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。
引用：スタジオジブリ
それにしてもよくできた都市伝説で思わず信じそうになりますよね。
ネコバスの七国山病院の『院』が逆さまの画像
メイがいなくなってトトロに助けを求めたサツキは、ネコバスに乗ってメイの元まで連れて行ってもらいました。
やはりメイは、おばあちゃんと収穫したトウモロコシをお母さんに届けようとして迷子になったのでした。
泣きじゃくるメイの元に到着すると、ネコバスの行き先が「七国山病院」に！
ネコバスは七国山病院
さて、ころさんのバスは…？#生神もんざえもん pic.twitter.com/VNbjipAJQu
— 塩 (天丼用ごはん)🥐 (@SaxophoneLife) February 1, 2022
お母さんの元へ連れて行ってくれることになりました。
この行き先の「七国山病院」の”院”が逆向きの文字で出てきた瞬間に、右にいるライト役のネズミが「えっ！？」ってなる瞬間に思わず笑いがこみ上げてきますね。
ネコバスの行き先の「塚森」「長沢」「三つ塚」「墓道」「大社」「牛沼」などの他の地名は、はっきりと表示されていました。
これらはネコバスが通り慣れている定期巡回のルートなんでしょうね。
七国山病院は、きっと初めて行く場所だったので、漢字を間違えてしまったのかもしれないです。
そんなかわいい演出にクスリと笑ってしまいますね。
七国山病院と松郷の距離はどれくらい？大人の足でも3時間かかる！
メイが迷子になって探している時に、おばあちゃんが「七国山の病院は大人の足でも3時間はかかるわ」と話してました。
田舎道を探し回ったメイは、途中ですれ違ったカップルにメイが「松郷から来ました」と言ってましたね。
「松郷！？」「何かの間違いじゃないの？」と、かなりびっくりしていました。
大人も驚くほどの距離って、一体どれくらいだったんでしょうか？
一般的に、大人がゆっくり歩くと1kmは15分で歩ける計算になります。同じペースで歩き続けたら1時間で4km進みます。
3時間ともなれば、単純計算で概ね12km前後ということになりますね。
サツキとメイ達が暮らす自宅周辺～七国山病院までは、およそ12kmの道のりというわけですね。
カップルに会ったのは途中の道だったとはいえ、見た感じだとかなりの田舎道です。
サツキはけっこう走ったんだろうな…って思いますね。
このように考えると、実際にモデルとなった埼玉県所沢市松郷から、七国山病院のモデルとなった新山手病院のある東村山市須和町までを地図で確認すると、およそ7kmの距離でした。
となりのトトロの舞台となった、１９５０年代半ばの埼玉県所沢市松郷は、この後に国道や県道が整備され、新所沢駅や東所沢駅が開業するなどの開発が進みました。
「大人の足で3時間」の七国山病院までは、ネコバスでなくとも車で20分程度で行けるようになりましたね。
ちなみに徒歩だと1時間45分の距離です。子どもの足だともっとかかりそうですが。
こちらがトトロの案となった1955年頃の松郷の地図なのですが、昔はこんな田舎だったのかな。
トトロに出てくる松郷の村を作りたくて、着々と田舎と化してる。おいでおいで〜一緒に秋を満喫しよう🍁 pic.twitter.com/Rebt8eKEjr
— チョコミントくま (@yokorin0316) September 26, 2020
現在の松郷と今とでは、ずいぶんと風景が変わってきているようです。
