「道具、武器」と呼ばれた少女が人として成長していく姿が描かれた『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。
感情を持たない元軍人の少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、自在に動くロボットのような義手を両腕に装着しています。
義手の自動手記人形として生きるヴァイオレットですが、そもそもなぜ義手になってしまったんでしょう?
そこで今回は、
- ヴァイオレット・エヴァーガーデンが義手になった理由
- 義手の技術や素材について
- 誰が義手を作ったのか
これらについてまとめます!
目次
ヴァイオレット・エヴァーガーデンが義手の理由は?戦闘で腕がちぎれた?
ヴァイオレットが義手になった理由については、アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の第9話に描かれていました。
ヴァイオレットは、大戦中にライデンシャフトリヒ陸軍の少女兵として、かなりの戦闘力を持っており、「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」の渾名で恐れられていました。
孤児で言葉も親も知らなかったヴァイオレットは、戦場で「武器」として戦うことしか知らない少女だったのです。
激化する戦場の中で、ヴァイオレットの陸軍時代の上官ギルベルト・ブーゲンビリア少佐が敵に撃たれてしまいます。
動けなくなった少佐を抱えて逃げるヴァイオレットを狙い、敵がさらに攻撃。
銃撃がヴァイオレットの右腕に命中し、右腕がポトリと落ちてしまいます。
さらには、手榴弾による攻撃で左腕も失ってしまったのでした。
両腕を無くしてしまったヴァイオレットは、少佐の服を口に咥えて助けようとします。
しかし、そこに爆風が起きてしまい、少佐がヴァイオレットを助けるために突き飛ばしました。
戦争は終わり、目を覚ましたヴァイオレットは病院にいました。
命は助かったものの、失った両腕は義手に変わっていたのでした。
このような悲しいできごとがあり、ヴァイオレットは両腕だけではなく信頼していた少佐までも失ってしまったのです。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの義手の技術設定と素材は?高速タイピングができる!
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、大戦後、後見人の1人となったクラウディアが経営するC.H郵便社で自動手記人形として代筆業をしています。
両腕が義手にも関わらず、活版印刷やタイプライターを打ちこなしたり、自分の髪の毛を三つ編みに結んだりと、自分の意思どおりに5本の指を動かすことができるようになっています。
本当の手となんら変わりのないように動かせるので、視聴者からはヴァイオレットの義手について「技術や仕組みが気になる」といった声が上がっています。
そもそも、ヴァイオレットのような自動手記人形というのは、機械人形の権威であるオーランド博士が視力を失った小説家の妻・モリーのために音声入力でタイプライターを操作するロボットを作ったのが始まりです。
その技術の応用として、自分の意志で5本の指を動かすことができる、かなり高性能で精巧な義手が存在しています。
ヴァイオレットの義手は、肩や二の腕の筋肉の動きが、肘・手首・指を動かす3基の制御装置に伝わって、制御装置から伸びる金属のワイヤーが指や肘を動かす構造になっています。
神経からの情報をどうやって伝達しているのか気になり、調べてみたところ、
動かせる義手には2種類あり、機能が残った身体の動きを利用して、任意の動作を可能にしたものを能動義手と言い、筋肉の収縮によって発する微弱な電流を読み取ってモーターで動かす筋電義手があります。
筋電義手は力が強くて、本物の手と同じ感覚で動かせるんだそうです。
ヴァイオレットは指まで細かく動かせていたので、筋電義手の解説に似ている気がします。
しかし、現在の日本で普及しているのは能動義手の方だそうです。
筋電義手は重くて肩や首に負担がかかってしまうのと、支給制度が整っていないからだそうです。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のファンブックによると、ヴァイオレットの義手には、大陸の一部地域でしか産出されていないアダマン銀という、極めて硬質な金属が使われています。
そのため、一般的に用いられる医療用義手よりも極めて強度が高いと言われています。
肘の制御装置を調整することで、本当の腕と同じように自由自在に動かすことができるようになっています。
アマダン銀の見た目を検索してみたところ、作品上の架空金属で実在しないことが分かりました。
このアダマン銀は、硬質の天然素材『アダマント』がモチーフとなっていると予想されており、アダマントのラテン語の動詞が「愛する」という意味だそうです。
ギルベルト少佐が伝えた「愛してる」の意味を探っていくヴァイオレットとリンクしてくる部分があって、意図してモチーフにされていたら、ロマンチック過ぎますよね!
ヴァイオレットは、普段はエヴァーガーデン家の奥方に貰った革手袋をはめています。
しかし、ヴァイオレットは義手のまま入浴していたり、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』では、義手のままエイミーの濡れた髪の毛を乾かすシーンがありました。
義手なのに水に濡れてもいいのかなとも思いましたが、義手に使われている「アダマン銀」は極めて硬質な金属で、医療用義手よりも強度が高いので水に濡れても大丈夫だということなのでしょう。
自分の意志で、あれほど精巧に動かせることに驚きですよね。
でもアニメの中の話なので、設定についてはあまり深くは考えない方がいいのかもしれませんね。
現代の義手でもまだここまで巧みに動くわけではないので、いつかヴァイオレットのようにタイピングするくらいの精度や速度を持つ高性能の義手が誕生すると、助かる人は大勢いることでしょう。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンの義手は誰が製作(施術)したの?
本当の手のように動き、巧みな性能を持ったヴァイオレット・エヴァーガーデンの義手ですが、誰かがヴァイオレットのために専用義手を製作したことになります。
入院120日目で、義手を取り付けて動かせるようになりました。
ヴァイオレットの義手には、大陸の一部地域でしか産出されていない「アダマン銀」が使われているということから、アダマン銀を見つけた鉱山労働者や、アマダン銀を使って義手を作れるように設計した義肢装具士がいたり、様々な人が関わった背景があるかと思います。
色々と調べてみましたが、ヴァイオレットの義手は誰がどのように施術したのか明らかにされることは無く、おそらく各自の想像に任せるという意味なのではないかといった声もありました。
ちなみに原作には、軍が施術した軍用のものであることが明記されているとのことです。
また、季節ごとに調整が必要で定期的なメンテナンスも必要だそうです。
#ヴァイオレット・エヴァーガーデン
ヴァイオレットの義手ですが軍が施術した軍用のものであることが原作に明記されてます。
また、季節ごとに調整が必要で定期的な整備を要するものらしい。
これは見方を変えると彼女がゆるやかな軍の監視下に置かれてるとも言えます。
→続く pic.twitter.com/y6dzZPmope— tsun (@tsuntsuku2) October 15, 2020
ヴァイオレットの義手は一般的に用いられる医療用義手よりも極めて強度が高いということで、一般的なものとは性能も違います。
これらの理由には、軍用の物で軍が施術した背景があったということで納得できまね。