細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』は、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞し、海外でも上映されて話題になった作品です。
「親子愛が泣ける!」と多くのファンがいる一方で、「気持ち悪い」と批判の声も挙がっていたりと賛否両論あります。
金曜ロードショーで放送されると、決まってネットが炎上するのですが、どうやら作中に登場するベッドシーンに批判が集まっているようですね。
色々と気になり、確認しみたら、一部の視聴者から批判が集まってる理由が分かりました。
そこで今回は一体どこのどのシーンが気持ち悪いのか、その場面について解説し、筆者なりに感想をまとめました。
それでは見ていきましょう!
※以下より一部ネタバレがありますので、注意してご覧ください。
映画『おおかみこどもの雨と雪』のベッドシーンが気持ち悪い?
みなさんの人生を変えたアニメってなんですか?
僕は「おおかみこどもの雨と雪」ですね〜 pic.twitter.com/vc5MjocMhH— 鹿の胴体/愛鹿 (@shikasabu) June 27, 2021
【おおかみこどもの雨と雪】は、オオカミ男と大学生の花が結婚して、誕生した『おおかみこども』の雨と雪が成長していく様を描いた作品です。
おおかみこども達が無邪気でかわいく、苦労しながら育ってく姿にほっこりするお話なのですが、人間とは違う性質のおおかみこどもの成長を孤軍奮闘しながら無償の愛を注ぐ母の感動物語です。
狼男の彼は、日頃は人間の姿で暮らしており、引っ越し屋のアルバイトをしていて、花の大学の講義に潜り込んだりしてました。
2人は大学の講義中に出会ったことをきっかけに、どんどん距離を縮めていきます。
身よりがいない者同士の2人は少しずつ仲を深めていき、ある晩 彼から自分が狼男であることをカミングアウトされますが、それでも花の彼に対する気持ちは変わりませんでした。
今までは待ち合わせのときに花のことを夜中まで待たせたり、どこかつれない態度だったオオカミ男でしたが、勇気を出して自分の正体を明かしてくれたことに花はうれしく思ったのです。
その次の場面で、視聴者から「気持ち悪い」と言われるシーンが出てきます。
花がはじめて狼男と結ばれるとき、彼は完全な人ではない半獣の姿に変身します。
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そして2人は…
「もう会わない?」「ううん。」
「でも震えてる。怖い?」「怖くない。あなただから。」
そして狼男と人間の花が結ばれる。
この非現実的なシーンは刺激が強く、視聴者から批判が集まっているようです。
細田守監督はこのシーンにはこだわりがあったそうで、
そもそも恋人として交際宣言をしていない2人がもっと親密になるために、”2人が関係性を築くための大きな一歩”として、はじめて乗り越えた場面を表現したかったそうです。
花が『狼の彼』を受け入れた瞬間を描いたシーンだったんですね。
子育ての苦労を2人で乗り越えたい…などとそこまで重く考えたわけではなく、オオカミの姿の彼を受け入れたシーンが表現されたのですね。
『おおかみこどもの雨と雪』は子供に見せられない?
2人が結ばれる場面は1シーンのみで、翌朝起きたら2人が同じ布団で寝ているわけです。
長い時間そのシーンが映るわけではなく、変な音声が入るわけでもありませんが、お子さんがいる家庭では家族で観ることをどう思っているんでしょう?
ネットの意見を見てみると…
金曜ロードSHOW!「おおかみこどもの雨と雪」を観たが、とても家族で観れるものではないぞ…。色んな意味で子供には見せたくない…。
— 藤次郎 (@deki3) December 20, 2013
おおかみこどもの雨と雪。。子供が見たいから録画してとお願いされたんだけどね…ラブシーンあるんだよね(^◇^;)親としてはあまり見せたくないような。。今夜中に録画編集してカットしておいてもいいかしら(^_^;)
— しずく (@SHIZUKU0903) July 10, 2015
「おおかみこどもの雨と雪」の夜の営みを想像すると、いったい誰向きの映画なのかわからなくなってくる
— べっちー (@Q_mask) July 20, 2012
親心的には、複雑な気持ちになる人が多いようです。
監督はありのままを描きたかったと思いますけど、気になる人は気になるかもしれませんね。。
子どもも見る作品で、人間と獣が夫婦になって、結ばれるシーンが登場して…という展開は
たしかに考えさせられますね。
ただ主観ですが、まだそういうことを知らない小学生低学年くらいは、違和感を感じたり、気まずくなったりはしないかなと思います。
そんなにいやらしく描かれていないので。
筆者的にはその場面を切り取って騒ぐより、その後に感動するシーンがたくさん登場するので、ぜひそちらに注目していただきたいです。
映画の後半で、息子の雨が10歳でオオカミとして自立すると決意するシーンがあるんです。
傍から見ても、たしかに10歳で自立するのは親心的に心配でいっぱいになるんですよね…。
普段は子どもがオオカミに変身しようが、部屋で取っ組み合いの喧嘩になろうが怒ることなどなかった花が、感情をむき出しにして「もう山には行っちゃダメ」って言うんです。
子どものことが愛おしいんですよね。
それでも最後はオオカミとしての人生を送ることに決めた息子の決断を涙ながらに応援するシーンがあり、その場面がもの凄く泣けるんです…涙
母親の愛情に泣けるシーンが山のようにありますよ!
世間の声は?
世間の意見を見ると、ベッドシーンがどうこうといった生理的なものではなく、”母親の自己犠牲が美化されているのが気になる”という意見の方が多く見られました。
母親の自己犠牲が美化されるばっかりで気持ち悪いのでおおかみこどもの雨と雪が観られません
— とうべ (@doradora19) February 5, 2018
今更ながら「おおかみこどもの雨と雪」を見た。作り手には申し訳ないが、女性というか、母親に対するエゴが気持ち悪い映画と感じた。駄作です。以上
— 当麻蹴速 (@tiefblau46) August 30, 2017
おおかみこどもの雨と雪?の何が気持ち悪いって、女は強い!母は強い!みたいな描写が露骨なところ。
— 篠 (@milkyismomstas) August 28, 2020
たしかに冒頭で狼男が亡くなってしまい、母親の花が苦労を背負い過ぎで、最初から辛くて目を背けたくなりますが、気持ち悪いかというとそれはどうでしょうか??
また”ストーリーそのものが辛くて見れない”という意見も見られました。
おおかみこどもの雨と雪は辛すぎて一生見られない
— tonmmy (@tmy_629) June 28, 2021
おおかみこどもの雨と雪、好きだけど心痛くなるから嫌い
— たつお (@tatsuo_ua) January 4, 2021
とくに雨が巣立っていくシーンは号泣ものですが、親目線で見ると受け付けない…なんて声もありますね。
まとめ
たしかに年頃の子どもがいる親としては、花とオオカミ男との あのシーンはいるのかな?と思いましたが、映ったのは一瞬でしたし、生々しく描かれていないので、そこまで気持ち悪くはなかったという感想に留まりました。
個人的にはその場面より、母親の花の愛情とたくましさに涙してしまいましたね。
そんなにいやらしい感じでもないので、気にし過ぎることもないのかなと思いました。